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手をつないで

​手と手、触れたとて。


(3:0:0)
上演時間60〜70分

登場人物

・ハジメ
田茂 一(タモ ハジメ)攻め、酔いつぶれていた男。

・ミナト
香坂 湊(コウサカ ミナト)受け、押し付けられた男。

・ギンジロウ
鍛冶屋 銀次郎(カジヤ ギンジロウ)ゲイバーのマスター(ママ)

 

 

 

 

(BAR七色棒 カウンター席)

 

ハジメ:

俺はさぁ……ゲイになりたいんだよ……

 

ミナト:

……はぁ?


ハジメ:

【手と手、触れたとて。】

ミナトM:

時を遡ること一時間前、ギンジから届いた一件のメッセージ通知。
非番の日に上司から来る連絡なんて、絶対に碌な物じゃない……と。
頭では分かっていても、それを無視できるハズもなく。
通知のバナーが画面から消えるのを待って、一呼吸置いてから確認する。

ミナト:

「SOS!厄介な客がいるから回収しに来て!」って……はぁ……

 

ミナトM:

やっぱり碌な物じゃなかった。というか、そんな事は警察に言ってほしい。
百歩譲って警察沙汰じゃないにしても、なんで非番の俺に頼むのか。
あと回収ってなんだ、俺はゴミ収集の業者じゃないんだぞ。
一通り心の中でツッコミを入れながら同様の文章を打ち……全文を消して、やる気のないスタンプで返事をした。

 

ミナト:

了解……っと……

 

(場転 BAR七色棒 店の前)

 

ミナトM:

BAR「七色棒」、七色の棒と書いてそう読ませる、如何にも頭の悪い名前のこの店が……残念ながら俺の職場だ。
店の前には、七色のネオンライトで店名とヤシの木が描かれた悪趣味な看板が置いてある。
時刻はもうすぐ日を跨ごうという頃……にも関わらず店内は大勢の客で賑わっていた。
別にそれ自体は珍しいことではない、現にこの辺りは明け方5時まで営業している店が殆どだ。
だが……それにしても今日は客が多い、どこかの店が臨時休業でもしたんだろうか。
確かにこれでは猫の手……もとい非番の手も借りたくなる。
立ち飲みしている客をかき分けて奥へ進むと、忙しそうにドリンクを作るギンジと、カウンターに突っ伏して寝ている男が居た。

 

ギンジロウ:

いらっしゃいー!見ての通り満席なの!立ち飲みでもよかったらすぐドリンク……

 

ミナト:

こんばんわ。この賑わい、閉店セールか何かですか?それともママの葬式?

 

ギンジロウ:

お店もアタシも永遠だわよ!って……ミナト〜〜〜!やっと来たのねこの遅漏!!

 

ミナト:

はぁ?まだ一時間しか経ってないだろ、返事してすぐ来てやったっつーの。

 

ギンジロウ:

アンタん家すぐソコじゃないの!こっちはタチの手でも借りたいっていうのに!

 

ミナト:

じゃあネコ呼ぶなよ。生憎俺は休みの日を家で過ごすタイプじゃないんでね。

 

ギンジロウ:

超インドアが何言ってんのよ、どうせアンタのことだから男漁りにでも行ってたんでしょ。

 

ミナト:

……チッ、分かってんなら連絡すんなよな。

 

ギンジロウ:

ヤダ舌打ち!あー!やーねー!男日照りのさもしい八つ当たり!

 

ミナト:

あのなぁ!こっちは休みだってのにわざわざ来てやったんだぞ。タイチはどうしたんだよ?

 

ギンジロウ:

タイちゃんは買い出し中よ。2階と5階がお休みしちゃったみたいで、この賑わいでしょ?
お酒もおツマミも、なんならイスも足りなくなっちゃったからアチコチお使いに行って貰ってるの。

 

ミナト:

マジか……俺入ろうか?

 

ギンジロウ:

あらアリガト♡でも大丈夫よ、頼みたいことならさっき送ったでしょ。

 

ミナト:

そういえば……

 

(ミナト 隣でカウンターに突っ伏している男を見やり、小声で問いかける)

 

ミナト:

……メッセージのって、この人?

 

ギンジロウ:

そ、アンタにプレゼント♡お会計はいいから、とっとと持って帰って、お店の回転率に貢献して頂戴。

 

ミナト:

はぁ?何言って……

 

ギンジロウ:

(別の客に呼ばれてフェードアウトしつつ)ハイハーイ!カシオレふたつネー!

お代わりが欲しいなら自分でグラス持ってきなさーい?

 

ミナト:

あっ!ちょ……おい……!はぁ……

プレゼントってなんだよ……
あの……お兄さん?もしもーし……?

 

ハジメ:

ん……うぅ……

 

ミナト:

そろそろ終電無くなっちゃいますよ?帰らなくて大丈夫ですか?

 

ハジメ:

帰る……?んん……

 

ミナト:

店も混んでるし、移動だけで……も……

 

ミナトM:

「帰る」という言葉に反応したのか、突っ伏していた頭がのそりと起き上がりこちらを向く。
寝ぼけ眼と視線がかち合い、続けて掛けようとしていた言葉が詰まった。
ちょっと……いや……かなり、タイプだ。

 

ハジメ:

帰る……も……家……には……

 

ミナト:

……っあ……飲み過ぎですよ。水もってきますから、それ飲んだら帰りましょう。ね?

 

ハジメ:

んん……

 

ミナト:

ちょっと待っててくださいね……。

 

(ミナト 男のグラスを持ってカウンターに入り、水をついで戻ってくる。)

 

ミナト:

お兄さん、ほら……水飲めますか?

 

ハジメ:

水……ん……

 

ミナトM:

受け取ったグラスを豪快に仰ぎ、水を飲み干す男の横顔を見つめる。
寝起きでうっすらとかいた汗が雫になり、喉の動きに合わせて首筋を伝っていく。
その姿があまりにも絵になっていて、俺は目を離すことができない。
「酔い潰れた客の面倒を見る」なんて厄介ごとを、ギンジがプレゼントだと言う理由も分かった。
の……だが……

 

ハジメ:

っはぁ……ふぅ……

 

ミナト:

ははっ、良い飲みっぷり。それじゃあ、(帰りましょうか。)

ハジメ:

俺はさぁ……ゲイになりたいんだよ……

 

ミナト:

……はぁ?

 

ミナトM:

ギンジが「厄介な客」だと言う理由も、漸く分かった。

 

ミナト:

えっと……?

 

ハジメ:

だからぁ……俺はゲイに(なりたいんだって)

 

ミナト:

あぁ〜!わかりましたわかりました!とりあえずココじゃアレですから!外!一旦外行きましょ!ね!?

 

ハジメ:

外ぉ……?「初めて」は屋内がいいんだけど……

 

ミナト:

いいから!ほら立ってください!

 

ハジメ:

「勃て」だなんて……いくら屋内でも……お店の中はマズい……

 

ミナト:

ちが……!あーもう!
ギンジー!!やっぱコイツ置いて帰ってもいい!?

 

ギンジロウ:

(奥から)名前で呼ぶんじゃないわよ!置いてったら1ヶ月減給だからね!

 

ミナト:

じゃあこれは休日手当出してくれるんだろうなぁ!?

 

ギンジロウ:

(奥から)あー!忙しい忙しいー!

 

ミナト:

あの髭ゴリラ……!ったく……あっ!こら、寝るんじゃない!

 

ハジメ:

……く……ない……

 

ミナト:

……?

 

ハジメ:

家には……帰りたく……ない……

 

ミナト:

っ……本当、厄介な客……

 

ハジメM:

俺はきっと、夢を見ている。
お気に入りのデートコース、隣を歩く好きな人。
一日を一緒に過ごし、ロマンチックな夜景をバックに振り返った相手が言う。
「そろそろ帰ろう」と。
その瞬間、これは夢だと気付く。
次に目を開ければ、いつものように天井が俺を迎え、また一日が始まるんだ。

 

(場転 ハジメがベットの上で目を醒ます)

 

ハジメ:

う……ん……?
……知らない……天井だ……

 

ミナト:

……お兄さんアニメ好きなの?生憎ここは箱根じゃないけど。

 

ハジメ:

……?

 

ミナト:

ハジメ:

っうおゎぁ!?

ミナト:

うわっ!?

……ビックリした……急に大きい声出さないでよ。

ハジメ:

誰……?ここ……どこ……?

ミナト:

記憶ないタイプね……まぁ、あんだけ酔ってたら無理もないか。

 

ハジメ:

酔う……?そうだ……俺……バーで飲んで……

 

ミナト:

そ。んで俺は酔い潰れたアンタを介抱するよう「休みなのに」呼び出された可哀想な店員。

 

ハジメ:

あ……それは……申し訳ない……

 

ミナト:

んでここはラブホの一室。

 

ハジメ:

ラブホ……!?

 

ミナト:

あ、言っとくけど何もしてないからね。

 

ハジメ:

あ、いや……別にそんなことは……驚いただけで……

 

ミナト:

ふっ……

 

ハジメ:

……?

 

ミナト:

信じるんだ?

 

ハジメ:

えぇ!?

 

ミナト:

ははっ、冗談冗談。本当に何もしてないよ。

 

ハジメ:

んん……

 

ミナト:

気になるならケツか下着でも確認すれば?

 

ハジメ:

っ……し、信じるよ。それより、迷惑を掛けてすまない……ありがとう。

 

ミナト:

まーね、大人の男一人担いでここまでくるのはマジでしんどかった。

 

ハジメ:

う……本当に申し訳ない……それで、ココはどの辺り……

 

ミナト:

場所?店から500mしないとこ、新宿ど真ん中。

 

ハジメ:

そうか……なら、道には迷わないで済むかな。

 

ミナト:

始発ならもう動いてるけど、お兄さんスグ帰った方がいい感じ?

 

ハジメ:

…………いや…………特に問題はないよ……

 

ミナト:

……俺も一個聞いていい?

 

ハジメ:

うん?

 

ミナト:

「ゲイになりたい」って、どういうこと?

 

ハジメ:

っ!

 

ミナト:

覚えてるかわかんないけど、酔い潰れながらそう言ってたから。

 

ハジメ:

…………

 

ミナト:

「なりたい」ってことは、少なくとも今はそうじゃないんでしょ?

 

ハジメ:

そう……だね……

 

ミナト:

興味本位、って感じでもなさそうだったけど。

 

ハジメ:

…………

 

ミナト:

……ま、話したくないなら別にいいよ。ただ、ウチの店は一応ミックスバーだけど、ノンケなんてそうそう来ないしさ。

周りがゲイだらけの空間で「ゲイになりたい」なんてくだ巻いてたら、快く思わない人もいるかもしれないし。

ハジメ:

あ……

ミナト:

それこそ、「試し喰い」しようとする奴とかもいるからさ、身を守るためにも気をつけてねってこと。

ハジメ:

……すまない……

 

ミナト:

……それとも、「試し喰い」待ちだった?

 

ハジメ:

へぇあっ!?

 

ミナト:

ぷっ、ははは!冗談だよ!

 

ハジメ:

……

 

ミナト:

お兄さん反応良いからつい揶揄いたく(なっちゃうんだよね)

 

ハジメ:

試しても……

 

ミナト:

え……?

 

ハジメ:

試しても……いいのか……?

 

ミナト:

……

 

ハジメ:

……

 

ミナト:

お兄さん、まだ酔ってる?

 

ハジメ:

酔いは醒めたよ……頭は痛いけど。

 

(二人 徐々に顔を近づけ合う)

 

ミナト:

でもヤろうって?

 

ハジメ:

ダメかな?

 

ミナト:

……俺、挿れられるの専門。

 

ハジメ:

……あぁ、分かった。

 

(二人 触れるだけの口付けをし、顔を離す)
(二人 見つめ合い一間おいて、再度深く口付けあう)

 

ミナト:

ん……ふは……酒くさ……

 

ハジメ:

ぁ……ごめ……

 

ミナト:

いーよ、服……脱がすね……

 

ハジメ:

あっ、シャワー……

 

ミナト:

今更?俺気にしないし……むしろ興奮する……

 

(ミナト シャツを脱がし乳首に舌を這わせる)

 

ハジメ:

ちょっ……まっ……はっ……

 

ミナト:

胸、感じるんだ?彼女に開発でもされた?

 

ハジメ:

触られた……こと……ない……っ

 

ミナト:

ふーん?素質ありそうなのに、もったいないね。

 

(ミナト 歯を立てて甘噛みする)

 

ハジメ:

ぐっ……あぁ!噛んだ……のか……?

 

ミナト:

甘噛み、痛い?

 

ハジメ:

っはぁ……は……痛くは……ない……

 

ミナト:

じゃあ、どんな感じ?

 

ハジメ:

どんな……って……

 

ミナト:

彼女にも触られたことない所、舌でゆっくり擦られたり、歯で噛み潰されたりするの、どんな感じ?

 

ハジメ:

……き……

 

ミナト:

うん?

 

ハジメ:

気持ち……良いっ……

 

ミナト:

あは……エッロイ顔……涎垂れてるよ……

 

(ミナト 口元の涎を舐め上げそのまま口付ける)

 

ハジメ:

んっ……むっ……はぁ……お……俺も……

 

ミナト:

ん?

 

ハジメ:

俺も……したい……

 

ミナト:

……ダーメ。俺、奉仕好きだから……ほら、腰あげて……下脱がすよ……

 

ハジメ:

じゃあ……君も脱いで……

 

ミナト:

……分かったよ……よっ……と……

 

(ミナト 服を脱いでハジメを見、動きが止まる)

 

ハジメ:

ん……どうしたの……?

 

ミナト:

いや……お兄さんの、デカいね……

 

ハジメ:

あ……ごめん……

 

ミナト:

なんで謝るのさ

 

ハジメ:

いつも……痛いとか、怖いとか言われるから……

 

ミナト:

確かに、コレは一筋縄じゃいかないね。

 

ハジメ:

やっぱり嫌だよな……ごめん、止めにしよう。

 

(ミナト 股座に顔を埋め咥え込む)

 

ミナト:

んむっ……

 

ハジメ:

うわっ!?

 

ミナト:

んぐ……んっ……う……

 

ハジメ:

ちょっと……あっ……

 

ミナト:

ぷはっ……やば……歯が当たんないようにするので精一杯……

 

ハジメ:

っ……息が……掛かる……

 

ミナト:

喉まで……いけるかな……?んぐ……っ……

 

ハジメ:

なっ……んだ……これ……!

 

(ミナト 鼻先を根本に埋めるように奥まで咥え込む)

 

ミナト:

ふっ……ん……

 

ハジメ:

それ……ヤバ……っ!

 

ミナト:

っ……!(咳き込む)……っはぁ……

 

ハジメ:

大丈夫か!?

 

ミナト:

全然へーき、腰振ってもよかったのに。

 

ハジメ:

振るっ……いや……気持ち良すぎてそれどころじゃ……

 

ミナト:

ふ……可愛い……

 

ハジメ:

可愛っ……!?っ……あまり揶揄わないでくれ……

 

ミナト:

揶揄って無いよ、コレは本心。

 

(ミナト ハジメの先端を手のひらで包み撫でるように動かす)

 

ハジメ:

がっ……!そこは……っ!!

 

ミナト:

先っぽ気持ちい?くすぐったい?

 

ハジメ:

わか……ら……ないっ……!おかしく……なりそうだ……っ!

 

ミナト:

全身震わせて感じてるの、マジで可愛い。
でも……

 

(ミナト 手を止めて体を離す)

 

ハジメ:

っはぁ……はぁ……!

 

ミナト:

お兄さんはタチなんだから、ちゃんと自分で気持ちよくしないとね?

 

ハジメ:

タチ……

 

ミナト:

挿れる方の人ってこと。ん……ココに、ね。

 

(ミナト 仰向けに寝そべり膝を抱えて足を開く。)
(ハジメ 喉を鳴らしミナトのソコを見つめる。)

 

ハジメ:

入る……のか……?

 

ミナト:

いきなりは無理だけど……協力、してくれる?

 

ハジメ:

どうすればいい……?

 

ミナト:

ふふ、良い子。手ぇ貸して?

 

ハジメ:

あぁ……

 

(ハジメ ミナトの左手に自分の右手を重ねる)
(ミナト ハジメの中指と薬指を咥える)

 

ミナト:

んむっ……

 

ハジメ:

っ……

 

ミナト:

お兄さん……指もブっといね……

 

ハジメ:

ふっ……ふーっ……

 

ミナト:

指も感じるんだ?じゃあここも気に入るよ。

 

ハジメ:

んっ……ぐあっ……

 

ミナト:

水カキのとこ……舌先で擦られるの……気持ちいいでしょ……

 

ハジメ:

ぐっ……これが……協力か……?

 

ミナト:

あは、これは俺の趣味。この指……どうすればいいか、分かるよね?

 

ハジメ:

……っ

 

(ハジメ ミナトの穴に中指を潜らせる)

 

ミナト:

っ……はは……やっぱ指もブっと……

 

ハジメ:

悪い……!痛かったか……?

 

ミナト:

違うよ、ブっとくて気持ちいいってこと……

 

ハジメ:

そう……か……

 

ミナト:

指、増やしていいよ。

 

ハジメ:

わ、分かった……痛かったら、教えてくれ……

 

(ハジメ 中指を一度引き抜き、薬指と一緒に挿し込む)

 

ミナト:

っ……お兄さん……こっち、来て……指……そのままね……

 

(ミナト 自身の右隣のスペースを叩いてハジメを呼ぶ)

 

ハジメ:

ん……

 

ミナト:

こっちは……腕枕……

 

ハジメ:

こうか?

 

ミナト:

うん……そしたら、キスして……指、奥まで……

 

ハジメ:

あぁ………ふ……

 

ミナト:

ん……む……あ〜……気持ちい……

 

ハジメ:

キツくないか?

 

ミナト:

全然、お兄さんの指……ゴツゴツしてて最高……

 

ハジメ:

っ……

 

ミナト:

お兄さんは……?

 

ハジメ:

うん?

 

ミナト:

男の穴……初めて触ってるけど……嫌じゃない?

 

ハジメ:

あぁ……締め付けが凄くて、むしろ……

 

ミナト:

興奮する?

 

ハジメ:

っ……あぁ……酷く。

 

ミナト:

みたいだね……熱いのがゴリゴリ当たってるよ……火傷しそう……

 

ハジメ:

熱さなら……君だって……

 

(ハジメ 指をバラバラと動かして拡げる)

 

ミナト:

っ!?アッ……!!

 

ハジメ:

指が融けそうだ……

 

ミナト:

ヤバ……拡が……るっ……

 

(ミナト ハジメの首に縋りつきキスをねだるように見上げるが、ハジメは意地悪く微笑み応えない。)

 

ハジメ:

拡げるんだろ?「協力しろ」って言ったじゃないか。

 

ミナト:

っ……さっきの仕返し……?

 

ハジメ:

言っただろ、「俺もしたい」って。

 

ミナト:

初めてだから気を使ったの……にっ……

 

ハジメ:

「試し喰い」なんだから、色々……やらせてよ……

 

ミナト:

……じゃあ……そろそろ、挿れてみる……?

 

ハジメ:

っ……!

 

ミナトM:

言葉と同時に指を締め付けると、腿に当たる熱がビクリと跳ねた。

 

ハジメM:

ペースが戻った笑みと仕草に煽られ、埋めいていた指を引き抜き覆い被さる。

 

ハジメ:

……いいんだな……?

 

ミナト:

挿れても……俺が「いい」って言うまで……動いちゃダメだよ……

 

ハジメ:

あぁ……

 

(ハジメ 自身を宛てがい、ゆっくりと割り入ってゆく。)

 

ミナト:

っ……!はぁ……デカ……痛っ……!

 

ハジメ:

っ!?悪い!今抜くから……

 

ミナト:

いい……そのまま、止まって……

 

ハジメ:

でも……

 

ミナト:

このまま……馴染むまで、キスしよう……

 

ハジメ:

……痛いんだろう?

 

ミナト:

だからだよ。鎮痛作用があるって……聞いたことない……?

 

ハジメ:

キスに……?初耳だ。

 

ミナト:

いいから、俺がこのまま……したいんだ。

 

ハジメ:

分かった……

ハジメM:

上も下も繋がりながら、互いの息を交換する様に口付ける。

 

ミナトM:

激しく行き交う口内の熱が、次第に下へと降りていって。

 

ハジメM:

強張っていたソコがゆっくりと、俺を受け入れ始めたのが分かった。

 

ミナトM:

相手もそれを感じ、俺の「いい」という言葉を待たず、続きを目で訴えられる。

 

ハジメM:

俺の問いに唇は離れないまま、ただ腰へと巻きつく足が、返答の代わりだった。

 

ミナト:

ん……っ……はぁ……

 

ハジメ:

もう少しで……全部……入るぞ……

 

ミナト:

いいよ……奥まで……来て……

 

ハジメ:

っ……入っ……た……

 

ミナト:

っ!すご……奥……気持ち……

 

ハジメ:

大丈夫か……?

 

ミナト:

気持ち良すぎて……ヤバいかも……

 

ハジメ:

凄いな……本当に全部……

 

ミナト:

ねぇ……手、貸して……

 

ハジメM:

彼は俺の右手を取ると、自身の臍の上へと充てがった。

 

ミナト:

此処まで、挿入ってるよ。

 

ハジメ:

っ……!クソッ……!

 

ミナト:

あっ……今、デカくなった……うぁ!!

 

ハジメM:

両手で腰を掴み、一寸の隙間もないほどに欲を押し付ける。

 

ミナト:

それっ……ダメ……奥ぅ……変になる……っ!

 

ハジメM:

制止の声を聞き入れ、抜け落ちるギリギリまで腰を引いてやると、今度は懇願された。

 

ミナト:

あっ……抜かないで……!もっと……!ちょうだい……!

 

ハジメM:

縋るように両手が首に回され、顔を引き寄せる。

 

ミナト:

キス……して……んっ……んぐぅっ!!

 

ハジメM:

キスに応えながら、彼を押し潰さない様、両手を顔の横について自身を支える。
その行動とは裏腹に、腰を力強く打ちつけ、左右に動かしては奥を目指した。

 

ミナト:

ぷはっ!……いや……だぁ……奥……もう……無理ぃ……!

 

ハジメM:

彼の反応に、優しくしてやりたいという気持ちを感じるのと同時に。
沸々と。腹の底で沸き上がる欲を、ぶち撒けたいと思う自分が居た。

 

ミナト:

あっ……あっ……ヤバい……俺……出てる……漏れてるっ……!

 

ハジメM:

いつの間にか、彼の足を担ぎ上げ自分が腰を振りやすい体勢を取っていて。

 

ミナト:

イッてるからぁ……!腰……止め……てぇ……!

 

ハジメM:

見下ろすと、彼の腹に小さな水たまりができていた。
それは腰を打ちつける度に溢れ出し、留まり切れない白濁が、ゆるゆると胸に向かって流れていく。

 

ハジメ:

っ……!……ぐっ、出すぞ!!

 

ミナト:

うぁっ……!奥っ……すげぇ……熱い……!

 

ハジメM:

胸まで登った視線が、その先の表情を拾う。
情欲に焦がされた彼の瞳が俺を射抜き。
目を逸らす事ができないまま、己の熱を打ち放った。

どれほどの時間繋がったままだろうか、何度目かも分からない精を注ぎ、キスを落とす。

乱れた息と汗が降り注ぎ。肺の中まで、この湿度が染み込んでいく。

口元を綻ばせながら、俺の汗を手で拭って、腰を押し付けてくる彼は。

 

ミナトM:

垂れた前髪を掻き上げ、ギラギラと見下ろしながら、熱を押し返してくる彼は。

 

(暗転 ハジメ ラブホのベットで目を醒ます)

 

ハジメ:

……う……ん……?

……知ってる天井だ。

 

ハジメM:

気が付くと俺は、未だあのベットに居た。どうやらあの後また眠ってしまった様だ。

気怠くも妙にスッキリとした目醒めが心地いい。

 

ハジメ:

……っ!

 

ハジメM:

スッキリ、と言う状態にハッとした。後半の欲に飲まれた抱き方を思い出し、血の気が引く。
彼に謝罪しなければ……と、部屋を見回して気付く。
風呂もトイレも人の気配は無く、ベットには俺一人。荷物や服も自分の物だけ。
呼びかけようにも名前も知らない、そんな相手になんてことをしてしまったのだろう。

 

ハジメ:

俺は……また……!

 

ハジメM:

自責と後悔の念が口から溢れると同時にスマホが振動する。
ローテーブルの上で存在を主張する機械の下に、一枚のメモ。

 

ハジメ:

「お兄さんへ」……これは……彼が……?

 

ミナトM:

「おはよう。昨日……というか今日はごめん。」
「介抱するハズがあんな事しちゃって、「気をつけろ」なんて言えたザマじゃないよな。」
「まぁ、野良猫に引っかかれたと思って忘れて欲しい。部屋は支払い済んでるから、昼まで自由に使って。」

 

ハジメ:

「野良猫より」……ははっ……逆に謝られた……

 

ハジメM:

彼が謝る事なんて、何一つ無いのに。
そう思いながら、このたった一枚のメモ書きに心底救われていた。
メモを折り畳んで財布にしまい、スマホを確認する。
時刻はもうすぐ正午、シャワーを浴びて、腹ごなしするにはちょうど良い時間だ。
先ほどまでの気持ちはどこへやら。鼻歌まじりに浴室へ向かいながら、上機嫌で呟いた。

 

ハジメ:

最高の休日だ。

 

(場転 ミナト自宅前)

 

ミナト:

最低の休日だった……

 

ミナトM:

昨晩から明朝にかけての行いを、思い返してはため息をつく。
どうして俺はこうも快楽先行で動いてしまうのか。重い思考とは逆に、スッキリした下半身を恨めしく摩る。
まぁ、そりゃあ?急な呼び出しのせいでヤリっぱぐれてムラムラしてたし、あんなタイプど真ん中の男を放っておくのは……とも思う。

 

ミナト:

でも……ノンケはなぁ……

 

ミナトM:

「ゲイになりたい」と酔い潰れているノンケなんて、絶対に地雷でしかない。
「なりたい」という言葉と、薬指の日焼け痕がその証拠だ。

 

ミナト:

っ……あー、嫌なこと思い出した……

 

ミナトM:

最低だ。
馬鹿な自分も、過去の過ちも、こんな気持ちになるのも、全部。

 

ミナト:

全部……

 

(ミナト 店の扉を思い切り開け中へ入る)

 

ミナト:

全部テメェのせいなんだよなぁ!!!

 

(ギンジ カウンター奥 厨房からのっそりと現れる)

 

ギンジロウ:

「七色棒」七つの鉄則その一、「どんな時でもアイサツは忘れない」。おはようミナト♡

 

ミナト:

おはようございますクソギンジ。

 

ギンジロウ:

七つの鉄則その二、「お店ではマスターのことをママと呼ぶ」。
忘れちゃってるみたいだから巻物に書いてアンタのケツにぶち込んでやろうかしら?

 

ミナト:

鉄則その七、「オカマの顔も六度まで、七つに裂いてお仕置きよ」だろ。まだ二度目だぞ。

 

ギンジロウ:

アンタは特別よ、二度目だから真っ二つに裂いてアゲル♡

 

ミナト:

じゃあ今日は一人で店回すんだな、俺が居なくても頑張ってくれ。

 

ギンジロウ:

んもう!本当ああ言えばこう言うんだから、可愛くないわね。

 

ミナト:

そりゃどうもありがとう。ギンジの相手してたら自然とこうなりました。

 

ギンジロウ:

ホンット可愛くない……それでぇ〜?何がアタシのせいだって?

 

ミナト:

決まってんだろ!昨日のアレは何なんだよ。

 

ギンジロウ:

アレぇ?昨日は忙しかったから細かいことは覚えてないわね〜。

 

ミナト:

お前がプレゼントだとか言って押し付けた客だよ!

 

ギンジロウ:

あぁ〜その事ね〜!そう言えば満席なのに、ずーっと酔い潰れてて邪魔な男がいたわ〜。

 

ミナト:

クソ白々しい……おかげであの後なぁ!

 

ギンジロウ:

でも、良い男だったでしょう?

 

ミナト:

ぐっ……

 

ギンジロウ:

ミナトのタイプだったでしょう〜?

 

ミナト:

……まぁ、見た目はな。

 

ギンジロウ:

やっぱり〜!?絶対そうだと思ったのよね〜!

 

ミナト:

あぁそうだよ!そのせいで俺はあんな送り狼みたいな真似を……

 

ギンジロウ:

あら。ってことはもうヤっちゃったの?まさか無理やり……

 

ミナト:

い、一応合意だぞ!誘ったのは俺だけど、ノってきたのは向こうだし……

 

ギンジロウ:

はぁ……アンタって本当に手が早いと言うか、股が緩いと言うか……

 

ミナト:

誰がヤリマンビッチだ!俺は守備範囲がちょっと広いだけであってちゃんと俺なりの基準が(あるんだからな)

 

ギンジロウ:

はいはい!今そこはどうでもいいから。で?連絡先は交換したわけ?

 

ミナト:

はぁ?するわけないだろ、そんなもん。

 

ギンジロウ:

あら、相性悪かったの?満足できなかったとか?

 

ミナト:

相性は……正直めちゃくちゃ良かった……けど!

 

ギンジロウ:

「ゲイになりたい」?

 

ミナト:

っ……そうだよ……ノンケと関係を続けるなんてごめんだ。

 

ギンジロウ:

いいじゃない別に。

 

ミナト:

はぁ?

 

ギンジロウ:

ゲイになりたがってるんだから、好きにさせれば。

 

ミナト:

好きにって……そんな簡単なことじゃ……いや、もういい。この話は終わりだ。

 

ギンジロウ:

あらもういいの?私はもっと恋バナしたいんだけど。

 

ミナト:

何が恋バナだ、誰がいつそんな話したんだよ。お節介焼きたがる「濃いババア」め。

 

ギンジロウ:

あら〜カマすじゃない〜?お礼に一つ良いことを教えてあげるわね〜。
仏の顔の残機は一気になくなることもあるのよ。今ので五機減ったわ。

 

ミナト:

さてとそろそろ開店の時間だな俺ちょっと看板出してくるわ。

 

ギンジロウ:

あら奇遇ね、ちょうど私も従業員を七つに裂いてオモテに張り出そうと思ってたの。

 

ミナト:

世紀末かよ!あっ、嘘ですごめんなさいちょっと首根っこ掴まないで浮いてる!俺浮いてるから!ま、ママー!!

 

(暗転 二週間後 BAR七色棒にて ギンジが帰る客を見送っている)

 

ギンジロウ:

はーいアリガト♡気をつけて帰んなさいよー!
……ってヤダ、もうこんなに降ってたのね。予報よりだいぶ早いじゃない。
ミナトー!今日はもう締めちゃいましょー!

 

ミナトM:

あれから二週間。何事も無い日々が続き、世間は少し遅い梅雨入りをしたらしい。

テレビは台風接近と大雨警報のニュースばかりで、店は閑古鳥が鳴いていた。

 

ミナト:

うわ……雨ヤバ。直撃は明日じゃなかったっけ?

 

ギンジロウ:

台風が速く走るコツでも見つけたのかしらね。

 

ミナト:

戦いの中で成長するタイプ。

 

ギンジロウ:

速くて喜ばれるのは運動会と風俗だけよね。

 

ミナト:

台風は早く過ぎる方がいいだろ。ソッチの方は人によるかな、俺はむしろ早い方が好きだし。

 

ギンジロウ:

アンタのそれはハッテン場ですぐ次の男とヤレるからって意味でしょ。

 

ミナト:

あと、あんま相性良くないなって時。

 

ギンジロウ:

ホンット可愛くないわね〜、良いのは顔ばっかり!

 

ミナト:

お褒めいただきどうも。看板しまうぞー。

 

(ミナト 外へ)

 

ギンジロウ:

はいはーい、よろしくー。
さてと……洗い物も今帰った分やれば終わりだし、明日は定休日……他にすることもないわね。

 

(ミナト 看板を押しながら戻ってくる)

 

ミナト:

うへぇ……看板しまうだけでびしょ濡れ……

 

ギンジロウ:

ご苦労様。このコップ洗ったらもう閉めちゃうから、ミナトはあがっちゃって。

 

ミナト:

あぁ……うん……

 

ギンジロウ:

早く帰って体暖めないと、風邪引くわよ〜。

 

ミナト:

なぁ……今日、ウチ来ない?

 

ギンジロウ:

……

 

ミナト:

この雨じゃ電車動かないし、タクシーも捕まんないだろ。

 

ギンジロウ:

誘い方が随分ベタじゃない?口説き方は教えてなかったかしら。

 

ミナト:

いいだろ別に、心配してんのも本心なんだから。

 

ギンジロウ:

あら、その文句は可愛いじゃない。

 

ミナト:

うるせー。

 

ギンジロウ:

でも、いいの?

 

ミナト:

何が?

 

ギンジロウ:

……アタシ、早くないわよ?

 

ミナト:

ぷっ……ばーか。ギンジは相性、悪くないだろ。

 

ギンジロウM:

ミナトと初めて会ったのは、三年前のこんな大雨の日だった。
その日も店は雨のせいでガラガラで、そろそろ閉めようかって時にずぶ濡れのミナトが入ってきた。
いつから飲んでいたのか、ベロベロのミナトがその場にへたり込んで泣き始めて。
最初はぶん殴って追い出そうかと思ったけど、流石に大雨の中ほっぽって死なれたら困るし、それに。
外の雨音に負けるくらい、声を押し殺して静かに泣くミナトを見たら、なんだか放っておけなかった。
それからまぁ色々あって、ミナトがウチで働くことになった。だんだん笑えるようになって、だんだん生意気になって。
年の離れた弟とか、息子の面倒を見てる気分だけど。
たまに、こういうコトもしている。

 

(場転 ミナトの家、ベットの上でキスをする二人)

 

ギンジロウ:

ん……む……はぁ……久しぶりね、アンタの部屋でヤるの。

 

ミナト:

ん……はっ……そうか……?

 

ギンジロウ:

しかもこんな雨の日に。昔を思い出すわね。

 

ミナト:

……集中しろ、バカギンジ。

 

ギンジロウ:

血液ならもう集中してるけど?ほら、触ってよ。

 

ミナト:

オヤジ臭い……

 

ギンジロウ:

そう言いながらしっかり握ってくるとこ、可愛い。

 

(ギンジロウ ミナトに握らせたまま、耳を舐め始める)

 

ミナト:

あっ……!耳っ……ヤダ……!

 

ギンジロウ:

嫌じゃないでしょ?舐められながら息かかるのがイイ癖に。

 

ミナト:

ひっ……そこで……喋んな……!

 

ギンジロウ:

片方を指で塞がれると、アタマん中に犯される音だけ響くでしょ?

 

ミナト:

っ……ギン……ジ……!

 

(ミナト 握っていた手を放し、ギンジの顔を押しのける。)

 

ギンジロウ:

何よ、しばらくしないうちに嫌いになった?

 

ミナト:

そうじゃなくて……

 

ギンジロウ:

じゃあどうして欲しいの?

 

ミナト:

……抱かれる時は、「銀次郎」が良い……

 

ギンジロウ:

……
はぁ……ったく、なら最初からそう言えよ。

 

ミナト:

いつもそうだっただろ……

 

ギンジロウ:

そうか?久しぶりだからな、忘れちまった。

 

ミナト:

……普段もその方が絶対良いのに。

 

ギンジロウ:

銀次郎なんて可愛くねぇだろ。

 

ミナト:

いつもは可愛いみたいに言うなよ。

 

ギンジロウ:

ほら、集中しろバカミナト。うるせー口は塞いじまうか?

 

ミナト:

だからオヤジ臭いって……ん……む……

 

ギンジロウ:

……っはぁ……オマエもしっかり反応してるな。

 

ミナト:

久しぶりで……溜まってるんだよ……

 

ギンジロウ:

ふーん?じゃあ今日は最初から誘うつもりだったか。
俺にケツ掘られたくて、一日ムラムラしながら仕事してた?

 

ミナト:

っ……いいから……早くっ……

 

ギンジロウ:

そう急かすなって。久しぶりなんだろ……よっと!

 

(ギンジロウ 体を起こし、ミナトの体をうつ伏せにさせる。)

 

ミナト:

うわっ!ちょっ……何……!

 

ギンジロウ:

俺がほぐしてやるから、そのままケツこっちに突き出せ。

 

ミナト:

嫌だよ!恥ずかしい……って、あっ……!

 

(ギンジロウ 返事を聞かずに尻に舌を這わす)

 

ギンジロウ:

足閉じてたら舐めづらいだろ。ほら、膝ついて足広げろ。

 

ミナト:

待って……ギンジ……

 

ギンジロウ:

待たない。気持ちよくしてやるから、な?

 

ミナト:

っ……分かったよ……ん……

 

(ミナト 膝をついて足を開く)

 

ギンジロウ:

いい子だ。

 

(ギンジロウ 突き出された穴を舌全体で舐め上げる)

 

ミナト:

っあ……!ギンジの舌……熱い……

 

ギンジロウ:

好きだろ、熱いの。

 

ミナト:

くすぐったいよ……

 

ギンジロウ:

我慢しろ。それも一種の快感だ。

 

(ギンジロウ 舌先を押し込んで割り入る)

 

ミナト:

あぁっ!ナカ……入って……

 

ギンジロウ:

ん……っはぁ……これからもっとデカくて熱いモン挿入れるからな。しっかり濡らしてほぐさねぇと。

 

ミナト:

はぁ……はっ……ギンジ……俺も……

 

ギンジロウ:

ん?なんだ……口寂しくなったか?いいぞ、こっち向け。

 

(ミナト 四つん這いのまま向き直り、ギンジが膝立ちになる)

 

ミナト:

あ……すげぇ……もうこんな……

 

(ミナト ギンジの屹立したモノを握ろうと手を伸ばす)

 

ギンジロウ:

コラ。こういう時はどうするか、教えただろ。

 

ミナト:

ん……

 

ギンジロウ:

そうだ。手は使わず、俺の目を見ながら……っ……ふぅ……いいぞ……

 

ミナト:

んぐ……もが……

 

ギンジロウ:

オラ、喉いくぞ。ちゃんと開けよ?

 

ミナト:

む……んん……おごっ……

 

ギンジロウ:

あ"ぁー……やっぱミナトのクチはたまんねぇな……このままぶっ放しちまいたくなる。

 

ミナト:

んぅ……いんい(ギンジ)……!

 

ギンジロウ:

まぁそれも良いが、俺ももう若くねぇからな。大事な一発は……っと。

 

(ギンジロウ 咥えさせたまま、右手を伸ばしミナトのソコに指を入れる)

ミナト:

んんっ!
 

ギンジロウ:

ちゃんとこっちに喰わせてやるよ。

 

ミナト:

ぷはっ……指……やめ……

 

ギンジロウ:

ベロだけじゃ解し足りないだろ?

 

ミナト:

っ……もう……平気だから……コレ……挿入れてよ……

 

ギンジロウ:

もうオネダリか?じゃあケツ突き出せ。

 

ミナト:

ん……

 

(ミナト 四つん這いのまま、再びギンジに尻を向ける)

 

ギンジロウ:

いい眺めだ……ゆっくり入れるからな。力抜けよ。

 

ミナト:

っ……あ……挿入って……きた……

 

ギンジロウ:

っふー……このまま根元までいくぞ……

 

ミナト:

うぁ……ギンジ……っ!

 

(ギンジロウ 根元まで挿入し、ミナトの背中に覆い被さる)

 

ギンジロウ:

全部挿入ったぞミナト……俺の形がわかるか?

 

ミナト:

わ……かるっ……俺の中全部……

 

ギンジロウ:

っ……そんなに締め付けんなって……俺だって溜まってんだぞ……

 

ミナト:

でも……気持ち……いいから……勝手に……

 

ギンジロウ:

エロガキめ……

 

ミナト:

ギンジ……もう……動いて……早く……

 

ギンジロウ:

あぁ……でも今日は……

 

(ギンジロウ ゆっくりと腰を引き、抜き差しを繰り返す。)

 

ミナト:

んぅ……あっ……なん……でっ……もっと……早く……

 

ギンジロウ:

こうした方が……俺をもっと……感じるだろ……ほら……締めてみろ……

 

ミナト:

んっ……こう……?

 

ギンジロウ:

あぁ……上出来だ……

 

(ギンジロウ 締まった状態でゆっくりとギリギリまで引き抜く)

 

ミナト:

あっ……出てくのが……わかる……っ……

 

ギンジロウ:

次は入ってくるぞ……イキんで押し出してみろ……

 

(ギンジロウ 押し出そうとするソコに再び根元まで咥え込ませる)

 

ミナト:

んっ……うぁっ!?すごっ……ギンジので……押しかえ……されるっ……

 

ギンジロウ:

あ”ぁー……いいぞ……分かったか?俺が抜く時は締めて、挿入れる時は押し出せ……

 

ミナト:

ギン……ジ……これっ……気持ちいっ……

 

ギンジロウ:

ゆっくりだ……ゆっくり……体が覚えるまでヤるからな……

 

ミナト:

だめ……俺……おかしくなるっ……

 

ギンジロウ:

なれよ……デケェ声出しておかしくなっちまえ……この大雨だ……どうせ俺にしか聞こえないぜ……

 

ミナト:

んっ……ああぁっ!俺……もう……イき……たい……っ!

 

ギンジロウ:

おう……イけ……!全部出しちまえ……!

 

ミナト:

ギンジ……もっ……一緒……にっ……

 

ギンジロウ:

っ……はいよ……仰せの通り……にっ!

 

ミナト:

っぐ……あぁ!あっ!……っ……

 

ギンジロウ:

俺も……イクっ……ぐ……!!

 

ミナト:

うあっ……熱……っ!

 

ギンジロウ:

くっ……まだ……出る……っ!!

 

ミナト:

っあ……あっ……中……すご……

 

ギンジロウ:

っ…………ふー……ふー……

 

ミナト:

はぁっ……はっ……

 

ギンジロウ:

……あ”ー……くそ……俺もイッちまったじゃねぇか……

 

ミナト:

はぁ……いいだろ……俺も何発もイケないんだよ……

 

ギンジロウ:

ミナトももうそんな歳か……

 

ミナト:

元々そうだっつーの……

 

ギンジロウ:

俺はもっと時間かけて楽しみたかったのによー

 

ミナト:

あんなネチっこいセックスずっとなんて、こっちの身が保たないだろ。

 

ギンジロウ:

品のねぇ言い方しやがって……スローセックスだよ、スローセックス。

 

ミナト:

七色棒なんて店やってる奴が品性語るなよ……

 

ギンジロウ:

ホント可愛くねぇなお前……さっきまであんなに可愛くヒンヒン鳴いてたのになぁ〜。

 

ミナト:

おっさん臭いピロートーク禁止、男なんて出すもん出したらこんなモンだろ。

 

ギンジロウ:

その発言も十分おっさん臭いぞ。

 

ミナト:

うるせー、汗冷える前にシャワー浴びるぞ。

 

ギンジロウ:

へーいへい……あ、掻き出すの手伝ってやろうか?

 

ミナト:

さっさと行けバカギンジ!

 

(場転 次の日 BAR七色棒 店の前に立っているミナトとギンジ)

 

ギンジロウ:

んー!いい天気っ!台風一過って新しい事が始まりそうでドキドキしちゃうわねっ!

 

ミナト:

いいからギンジも掃除しろよ。また人のこと休日にコキ使いやがって。

 

ギンジロウ:

こんな気持ちいい天気の日に家にいるなんて勿体無いじゃない!アタシは善意で誘ってあげたのよ。

 

ミナト:

嫌がる人間を担いで連れ出すのは誘拐って言うんだよ……!あー……やっぱウチに泊めるんじゃなかった……

 

ギンジロウ:

それにしても随分いろんなモンが飛んできたのねぇ……お店に直接被害が無くて良かったわぁ。

 

ミナト:

タカシママの店、雨漏りして店中水浸しだって言ってたもんな。

 

ギンジロウ:

ほんと、ウチのオンボロビルが無事で良かったわ〜!あちこちガタがきてるのに良く耐えたわよね。

 

ミナト:

このビルって、確かギンジと同い歳じゃあ……

 

ギンジロウ:

ミナト〜?あんた随分元気みたいねぇ?そんなにハッスルしたいなら土嚢でも運んでもらおうかしらぁ?

 

ミナト:

その土嚢でギンジの地雷処理できねぇかな……

 

ギンジロウ:

乙漢の年齢なんて地雷は剥き出しになってるに決まってんじゃない!

 

ミナト:

危険物すぎて処理班が来てくれないんだろうな……

 

ギンジロウ:

アタシの心に台風が戻ってくる前にゴミ出ししてくれるかしら〜?

 

ミナト:

冗談だって。ギンジは充分カッコいいよ。ゴミ袋これで全部?

 

ギンジロウ:

ふん……ちょっとズレた褒め方だけど大目に見てあげる。そうよ、一度で運べる?

 

ミナト:

ちょっと持ちづらいけどまぁ……うわっ……と……!

 

(ミナト 袋を持ち上げるが、踏み出した足が滑ってバランスを崩す)

 

ギンジロウ:

ミナトっ!!

 

(ギンジロウ よろめくミナトを背後から抱き止める。)

 

ギンジロウ:

あっ……ぶねぇ……おい、怪我してないか!?

 

ミナト:

……

 

ギンジロウ:

ミナト!?

 

ミナト:

急にソッチになるの……反則だろ……

 

ギンジロウ:

……はぁ……大丈夫そうね。

 

ミナト:

ごめん。サンダル滑った……ありがと。

 

ギンジロウ:

……惚れ直したか?

 

ミナト:

っ……はぁ!?バッカじゃねーの!そもそも惚れてないっつーの!!

 

ギンジロウ:

とか言う割に耳まで真っ赤ね〜。まるでチェリーボーイだわ〜きゃーカワイイー!

 

ミナト:

うるせー!修繕必須ビル!老朽化!

 

ギンジロウ:

今だけはそのクソ憎たらしい減らず口も許せちゃうわ〜

 

ミナト:いいからっ!いつまで掴んでんだよっ!離せってば!

 

ギンジロウ:

はいはい、恥ずかしくて泣き出しちゃう前に離してあげる。

 

(ミナト ギンジロウが手を離すと、ゴミを持って裏口へ消えていく)

ミナト:

誰が泣くかっ!ばか!ばーっか!

ギンジロウ:

ふふっ……裏口で転ばないでねー!
……本当、可愛い子。


(場転 BAR七色棒 カウンター内で仕込みをするミナトとギンジ)

 

ミナト:

ふぅ……よし、明日のお通しはこれで完成っと。

 

ギンジロウ:

アリガト。使った食器こっちにちょうだい。

 

ミナト:

ん、サンキュー。

 

ギンジロウ:

……ねぇ、ミナト。

 

ミナト:

んー?

 

ギンジロウ:

アンタ、恋人作らないの?

 

ミナト:

はぁ?なに母親みたいなこと言ってんだよ。

 

ギンジロウ:

真面目に言ってるの。

 

ミナト:

真面目にって……

 

ギンジロウ:

あれからもう三年でしょ?そろそろ恋愛したっていいんじゃない?

 

ミナト:

……

 

ギンジロウ:

あんな奴のこと(なんて忘れて)

 

ミナト:

ギンジロウ。

 

ギンジロウ:

……

 

ミナト:

……そんなんじゃないよ。

 

ギンジロウ:

……何が?

 

ミナト:

アイツのこと、とか。関係ないから。

 

ギンジロウ:

本当に?

 

ミナト:

……なんだよそれ。

 

ギンジロウ:

アタシにはミナトが、わざと恋愛を避けているようにしか思えないから。

 

ミナト:

ゲイなんてみんなこんなもんだろ。

 

ギンジロウ:

それはそう。確かに享楽的な人間が多いのは確か。でもそうやって言い聞かせて、ミナトは諦めてるだけなんじゃない?

 

ミナト:

だから!!

……違うって……別に無理して作るようなもんでもないだろ。今は単に、そういう機会が無いだけ。

 

ギンジロウ:

……そ。

 

ミナト:

そう……。
……怒鳴ってゴメン。

 

ギンジロウ:

ふふ。「七色棒」七つの鉄則その五、「お店の中で怒鳴っていいのはママだけ♡」。
ちゃんと謝れて偉いじゃない〜!

 

ミナト:

わっ……ちょ!濡れた手で触んなよ!

 

ギンジロウ:

あら〜濡れてなきゃいいのね〜。

 

ミナト:

言葉の綾だろバカギンジッ!

 

ギンジロウ:

でもね〜この間の「プレゼント」だって、結局連絡先も交換しなかったのよね〜。ヤる事はヤったみたいだけど。

 

ミナト:

プレゼントって……だからあれはノンケで……!

 

ギンジロウ:

そーねー、見た目がドストライクで「ゲイになりたい」って言う相性抜群のノンケね〜。

 

ミナト:

だぁーもー!どうせもう来ないからいいんだよ!介抱してくれた男に試し喰いされましたやっぱり女がいいですはい終わ

り!

ギンジロウ:

あれ?言ってなかったっけ?

 

ミナト:

何が!

 

(店のドアが開く音 ミナト振り返る)

 

ミナト:

あ……すみません、今日はお休みなんで……す……

 

(ハジメ 店の入り口に立っている)

 

ハジメ:

あ……えっと……

 

ミナト:

っ!?お兄さん……!?(なんでここに)

 

ギンジロウ:

ハジメー!もうー、遅かったじゃない!

 

ミナト:

えぇ!?

 

ハジメ:

ごめんごめん、家の近くの道路が冠水してて……。えっと……久しぶり、でいいのかな。

 

ミナト:

あっ、はい……。

 

ギンジロウ:

アッハイじゃないわよ!ほら、自己紹介!ハジメもこっちきて座って!

 

ハジメ:

あぁ。お邪魔します。

 

(ハジメ ミナトの前のカウンター席に座る)

 

ミナト:

あっ……えっ……?

 

ギンジロウ:

はい!じゃあミナトから!

 

ミナト:

えっ!?……と……コウサカ ミナトです……。お、お久しぶりです……。

 

ハジメ:

タモ ハジメです。久しぶり……と言っても二週間くらいかな?よろしく。

 

ミナト:

あっ、はい……ヨロシクオネガイシマス……??

 

ギンジロウ:

そしてアタシは本日の司会進行を勤めます、ギンちゃんママです!

 

ハジメ:

ははっ。相変わらずだな、カジヤ ギンジロウ。

 

ギンジロウ:

フルネームで呼ぶんじゃ無いわよっ!可愛さの可の字もないっ!

 

ハジメ:

武将みたいでカッコいいじゃないか。

 

ギンジロウ:

だから嫌なのよ!

 

ミナト:

あのーーー???

 

ハジメ:

うん?

 

ギンジロウ:

はーい、ミナトくん!質問かなー?

 

ミナト:

えっ……と……お二人は……お知り合いなんですか……?

 

ハジメ:

えっ、ギン……言ってなかったの?

 

ギンジロウ:

んー……言ってなかったみたい?

 

ハジメ:

相変わらずだなカジヤ ギンジロウ……。

 

ギンジロウ:

うるさいわね!はい!と言うことでハジメくん回答どうぞ!

 

ハジメ:

まったく……。

ミナトくん、俺とギンは……幼馴染なんだ。

 

ミナト:

…………はぁぁぁ!?

 

ーFinー

 

​???へ続く​
 

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